
インプラント治療に対する安全対策

以前から他院でインプラント治療を受けられたことのある患者さんの不具合に対してのフォローは多かったのですが、報道や患者さんの知識の向上によりその関心は高まってきているようです。
そのほとんどは自分の受けるべき治療法は的確なものなのか?、もしくは以前インプラント治療を受けたがそれは正しくされたものなのか?というセカンドオピニオンです。
中には既に悪い症状が出ているものや、残念ながら神経を損傷しているものもあります。
最近ニュースにもなりました通り、国民生活センターへの患者さんからの問い合わせが急増していることがあり国民生活センターから各医療機関へその安全対策へ要望が出されました。
当医院を開設するに当たり、まず準備したことは治療される患者さんに対しての安全を確保するということでした。清潔に保たれる専用の手術室(壁や床は抗菌であること、入口は2重のガラス扉であること)、また即座にCTによる診断が行えるようにCT室は手術室の出入り口から1m以内に設置しました。
そしてコンピューターを利用した神経の位置の確認、さらには出来るだけ目視による再確認など
そして重要なのが自分の技術の向上です。安全のための研修会への参加および資格取得。スタッフ教育など、当院の設備を的確に使いこなし、それと技術とを照らし合わせ患者さんとともにゴールを目指す。
そこの基本的な大前提としてあるのが安全です。
無理なことはしない、安全を確かめながら手術を行う。その結果理想的に出来なくてもそのフォローを的確に行える環境があること。
インプラント治療は歯科の治療でありますが1症例、1症例しっかりやらなければなりません。いろいろな手術を簡単に行える方法は出来てまいりましたが、それがすべての患者さんに行えるかと言うとそうではありません。
よく患者さんにたいしてこれらをわかっていただいた上で、今後もより安全なインプラント治療を目指していきたいと思います。

リスクの高い領域への骨の再生とインプラント治療の成功例
今回は下顎のインプラント治療において少し難易度の高い治療をご紹介させていただきます。
左の写真は一見してよくある重症の虫歯に見えます。通常であれば抜歯して部分入れ歯になるような症状であるでしょうか。
来院された患者さんは取り外し式の部分入れ歯は嫌なのでインプラントによる治療を希望されておりました。そこで院内にてCTスキャンによる診断を行いました。ここからが問題が発生いたします。

CTスキャンによる分析を行うと、そこには虫歯が長期間に渡り放置されていたので感染から大きな骨の欠損が見られました。これは通常の抜歯さえも難しくなります。残されている虫歯はすでに炎症から押し出されてきている状況で乳歯の抜ける前のような感じになっております。
では、なぜ難しいのか?
通常は炎症組織に覆われている虫歯の抜歯は、同時に炎症を起こしている組織も綺麗に取り除かないと悪い組織が骨の中に残ったままになってしまい、その治癒があまり良くないものになってしまいます。ましてここには後に骨を再生して、さらにはインプラントを入れなければなりません。
さらに詳しく分析してみます。問題の部分を縦割りにして、骨の欠損と神経や血管までの正確な距離を計測してみます。
黄色の部分が神経のある部分を示しておりますが、非常に近くまで骨の欠損があることが分かります。この欠損の中身は炎症を起こし膿を作り出す組織が満載です。これを綺麗にしなくてはなりません。神経までの距離は約2mmしかありませんでした。ここに骨を再生するには・・・
結果から申しますと左の様な骨が再生できました。
表面は結構なめらかで、神経も傷つけることなく良い結果となったと思います。ここまで再生出来ますと後は通常通りのインプラントを入れるための設計が出来ます。手術もそんなに難しいものではなくなりました。
骨の無かった部分の断面を見てみると正常の骨の形にもどっているのが確認出来ます。
設計もスムーズで神経や血管までの距離も十分に余裕が取れました。
これで手術時も安全マージンがかなり確保できるのと同時に、歯茎の部分のボリュームもあるので審美的にも優れ、歯ブラシもしやすい歯が出来ます。
それでは、どのようにこれを再生したのかと言いますと、一番重要であるのは骨が十分に再生できるだけの理想的なスペースが確保できるかということです。
よく、いい材料だから結果も良いといわれる場合もありますがそれはあくまで補助的な役割を果たします。
治療にあたり行ったことは、まず悪い感染組織を除去し、そこに触れている良くない骨の部分を出来るだけ清潔にします。このとき毛細血管からの新鮮な血液を確保できるようにします。その部分に吸収して無くなる人工の骨とスペースを確保すべく固い吸収しない人工の骨を入れます。
このとき骨の再生を促すタンパク質もいれておきます。
骨の再生に伴い、固い人工骨の周りに自分の骨が入り込み、スペースを確保されたまま新しい顎の骨がどんどん出来てきます。
入れる2種類の人工骨の比率、スペースの大きさ形、いろいろな要素を組み合わせて手術を行いますが、実はこれはそんなに大変な手術ではありません。患者さんも通常の抜歯くらいの負担しかかかってないと思われます。あまり切開も大きく開きませんし、基本的に傷口を塞ぎますので痛みも抜歯より痛くないといわれる患者さんがほとんどです。
このように実際のインプラント手術時の安全やその後のメンテナンスのしやすさを考慮しインプラント治療を進めております。

低侵襲と時間短縮を目指したサイナスリフトと同時インプラント手術に成功しております
上の顎に対するインプラント治療で問題になっていたのが、多くの日本人の奥歯の部分の骨が無いということでした。
そこには副鼻腔があり、上顎洞という大きな空洞があるため十分な骨の厚みが取れないため、以前はそこを避けるようなインプラント手術が行われてまいりました。近年サイナスリフトというテクニックにより上顎洞内に骨を作る技術が開発され、骨の無かった空洞内にもインプラントを支えるだけの骨が再生できるまでになり、これまで対応しにくかった奥歯の部分にも十分インプラントによるかみ合わせが再生できるようになっております。
しかしながら、サイナスリフトという技術は手術の領域も広く、頬骨の下に大きな穴をあけなければならず、それに対して感染や大きな創傷にも対応しなければならず、患者さんの負担も大きくなり、さらには骨を作りインプラントを入れるために膨大な時間を費やさねばならないという欠点もありました。
近年では、出来るだけ低侵襲によりインプラントを入れることを目指し、患者さんの負担を軽減しようという目標が掲げられ、いろいろな先生方が日々努力をされております。
その中の一つである、出来るだけ傷を小さくしたうえでサイナスリフトを行い、さらにはインプラントを同時に入れるという手術に成功いたしましたので、少し紹介させていただきます。これにより、インプラントによるかみ合わせの再生まで約半年間の時間が短縮出来、さらには手術も一回で済むようになりました。
左の写真は初診時に患者さんの上の奥歯に対してのインプラントの設計を当日コンピューター上で行ったものですが、骨が薄いため、このままでは下顎と適切な力と角度でかみ合わせを十分に確保することができません。
患者さんも、遠方から来院されておられるため治療に要する回数も限られております。
できるだけ傷も小さくして出血も抑えたいところです。
これまでですと、頬骨の下に1cm以上の窓を開け、その分傷も出血も感染に対するリスクも大きく、十分な術後観察も必要でした。これに対して以下の様な術式を用いて対応しております。
左の写真は術後の状態です。
骨に開ける窓は5mm程度、傷は8mm程度に抑えます。
この窓とインプラントを入れるためにあけた3mm程度の穴から人工の骨をゆっくり入れ、中にある粘膜を破らないように上げていきます。
そのあとインプラントそのもので傷にフタをするようにしっかり固定します。その後約4カ月ほどで上顎洞内にはインプラントを支えつつ固い骨が出来ることとなります。これは今までのサイナスリフトの方法の半分くらいの時間で来院回数も2回ほどで済みます。
ここ数年でインプラントそのものや人工の骨など、またそれらに付随するテクニックそのものもどんどん進化しております。
今後も出来るだけインプラント治療を受けられる患者さんの負担が少なくなりますよう努力をしてまいりたいと思います。

インプラント手術時の安全のために
先日、NHKでも報道されました。インプラントの研修及び試験の合格発表がありました。
みごとに合格できまして、「インプラント安心基準マネージャー」の資格を取得しました。
今後またさらなる患者様への安全な治療を確立すべく、努力をしていきたいと思います。

インプラント安心マネージャー研修会へ参加してまいりました
先日、、インプラント手術を行う歯科医師やスタッフが適切に対応するための資格、研修会でNPO法人歯科医療情報推進機構が主催する「インプラント安心マネージャー研修会」に参加してまいりました。
この模様はNHKのニュースウオッチ9でも報道され、より高度な技量とスタッフのチームワークにより医療事故を未然に防ぐ努力をしておりますということでした。
この報道でどうやら僕が大きく出てたらしく、いろんな方々や患者さまから励ましや治療に対するお礼がひっ切なしに入ってきております。
本当にうれしい限りです。
当院でも今後インプラント手術におけるさらなる安全を目指し、スタッフともども前進し続けてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

インプラント治療ー成功への道①
基本的な考え方
そもそもインプラント自体は骨にくっつく物ですから、十分な骨があり、さらに咬み合わせの力に対して骨との結合力が十分強ければ抜けることはほぼありません
その骨と結合する過程は骨折の治癒に順ずると考えて良いと思います。
僕自身の考えでは骨折が治癒する方であればインプラント体は骨と結合できると思います。
実際、糖尿病のある方でも重度でなければ内科医との連携のうえインプラント治療が成功しておられる患者さんは少なくありません。
より気をつけなければならないのは骨粗しょう症で治療中、投薬中の患者さんに対するインプラント治療の様に考えられます。以前のカルシウム製剤による治療では骨は硬くなりますが、最近のBP製剤による骨粗しょう症の治療では古い骨を溶かしで新しい丈夫な骨を促すという治療法なので一度外科処置をしてしまうと一旦その部分の骨は融けてしまいます。これには十分気をつけなくてはなりません。
さまざまな条件をふまえた上で基本的にはバランスの良い咬み合わせ、十分なインプラントと骨の結合、骨の量、適当な健康状態であればインプラント治療は成功するはずです。

札幌口腔インプラントオフィスで可能な治療法
出来る限り当院の治療法や患者様に対する方針をよりよく知っていただくために、治療法やテクニックを公開し、多くの患者様やほかの医師による治療の選択肢のひとつとして少しでも役立てていってもらえるようにしたいと思います。
札幌口腔インプラントオフィスでは、これまで日本国内や海外で学んできた医学的根拠に基づく多くのデータを総合して患者様一人ひとりの症状にあわせて多くの治療法の中から選択し組み合わせ、一緒になってゴールを目指して行きたいと思います。
1.インプラント治療
成功への道
A,骨のある場合
B,骨の無い場合
C,かみ合わせなど総合的なインプラント治療
2.根管治療
感染根管-歯周炎
虫歯による根管治療
3.歯周病
予防とその治療法
・歯科衛生士による予防
・外科的治療
4.かみ合わせ
・適正なかみ合わせを探る
・個別なかみ合わせのゴールと不具合への対策
5.虫歯
・虫歯になったときの治療法
・予防の個人差
6.審美歯科
・美容と審美とその効果

今後の取り組みについて
このたびの未曾有の大災害につきましては各地より大変な被害報告が入ってきており、まして現地からの生の状況は本当に耐えがたいものでした。
僕自身幼いころより三陸の宮古、大槌町、釜石市は本当によく訪れ、亡くなった母との思い出や大好きだった街や海岸が破壊されていく様を目の当たりにするということは本当に耐え難いものでした。
そんななか国内外の友人たちから励ましのメールや、もしや地元にいるのではないかとの確認や家族や親戚にご連絡いただいたことは本当にありがたいかぎりで、まして患者さんがたからも大変多くの励ましいただきまことにありがとうございました。
幸い親類関係は無事でありましたがやはり知り合い、友人関係となると家をや家族を失った方や安否不明といった方々が残念ながら出てきております。
ただ現地からの声を聞きますと大変な状況ながら少しばかりづづであっても復興の兆しが見えてきており、大変な状況ながら明るい声も聞かれるようになってまいりました。
今後の状況、将来のことを自分なりによく考えてみました。
このような状況にあっても日本は必ず復興しなくてはなりません、いままでよりもっと良くなるくらいの覚悟でがんばらないといけません。
ふたたび自分の状況や環境を見直し社会に対してどう貢献していくか考えてみました。
自分が何ができるのか?
中学生のころスキーばかりやっていた自分が、アメリカへ行って最先端の勉強をしたいと思った自分がまたここにおります。
中学生のころ抱いた夢はかなえられました、今度はそれで培った技術や研究を社会に大いに貢献させることに情熱を傾けようと思います。
僕自身の力は小さいものですがあきらめず少しづつ続けることで、また住みやすい美しい日本が帰ってくると思います。
自分に出来る事を一生懸命やる。
学生のころ亡くなった母が自分によく言ってくれた言葉でした、今後はこの言葉を胸に患者さんに対しても、社会に対しても貢献できるようがんばりたいと思います。
最後にいろいろとご心配いただいた関係者の皆様に対してお礼申し上げたいと思います。
まことにありがとうございました。
院長 上野

東北太平洋地震災害
このたび被災された方々におかれましては、本当にお悔やみ申し上げます。
皆さまもご存知の通り、僕自身岩手県で生まれ育った訳で
今回被災された地域は僕の家族をはじめ知人や友人、親戚も多く
現在ほとんど連絡が取れておらず、安否も不明な方も多いです
三陸沿岸は古くから津波の災害が多く、僕も小学校のときから
それらの災害にどう対応してきたか勉強させられました。
今回の災害は、これまでの経験や対応設備をはるかに超える規模のもので
被災地の状況は想像を絶するものがあります。
東北地方はじめ、岩手宮城はとてもよいところです、その多くが破壊されてしまって現在も
多くの方が被災されておられる現状はとても残念なことです。
僕自身海外での救命救急の経験もありますし被災地へ器材をもって飛んで行きたいのですが
現在そのすべすらありません
僕はあんまり「頑張る」ということは自分の持っている力以上のものを出すということで、普段はめったに口にしないのですが、いまこそ「頑張る」ときだと思います。
北海道も被害は尋常ではありませんが
どうか被災地のみなさまご無事でありますよう心よりお祈り申し上げます。
理事長 上野

近況報告

ブログの更新が遅れ気味でどうもすいませんでした。とても楽しみにされておられる患者さんも多いみたいですので、ちょっと頑張って近況をご報告させていただきます。
今年1月の中旬よりインプラントの埋入オペが急激に増えてまいりました。本日まで実に40名近くの患者さんがインプラントを入れる手術を受けたことになります。
これに加えて骨の再生や歯周組織の移植手術となりますと60症例以上になります。
これは去年の症例の倍近くのペースになり、予約もなかなか難しい場合があります。
予約のキャンセル等でましたらこちらからご連絡させていただき、早く治療が進みますように努力させていただいております。
はるばる遠方から来院される患者さんも多いですが、Drおよびスタッフともより気合をいれてがんばっていきたいと思いますので、今後ともよろしくおねがいいたします。
札幌口腔インプラントオフィス LEEデンタルクリニックのブログです。
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